特集:鋳造・ダイカスト

株式会社ハズ

株式会社ハズ

愛知県西尾市に本社を構える株式会社ハズは1922年(大正11年)に創業、今年で101周年を迎える伝統ある鋳造工場である。数多くの実績を積み上げてきたなかで、大きな強みは開発・設計、鋳造、機械加工、溶射、塗装、品質検査まで全て一貫生産が可能であり、多品種少量生産・大量生産の両方に対応できることにある。主な製品は上下水道やバルブ、マンホールなど水回りの鋳造物で、特に公共インフラ製品へ貢献してきた。また、ダクタイル鋳鉄を使用した上下水道用鋳鉄異形管「ダクタイル異形管」の生産量は日本一を誇る。

製造ラインは大きく2つ。「自硬性ライン」と「生型ライン」があり、製造製品の大きさによって分けられている。「自硬性ライン」は内径300mm以上の製品製造に使用され、大きく少ロットな製造に向いている。砂に樹脂と硬化剤を入れ時間をかけ確実な製品を製造する時に使用する。「生型ライン」は内径75mm~300mmの製品製造に使用され、小さく大量の製造に向いている。このラインでは2分単位での製品製造が可能だ。

同社の製造するインフラ製品は高い強度が求められるため、ダクタイル鋳鉄を採用している。ダクタイル鋳鉄とは鉄にカーボンを入れたもので、鉄より融点が下がった化合物である。鉄の鋳造性をより良くすることができ、組織中の黒鉛を球状の形にすることで強度や延性を改良し、より強度が強く、強靭性に富み、衝撃に強い耐久性のある鋳造物を製造することが可能。また、事前に使う鉄素材が自社に合うかを念入りに検査し使用している点からも品質管理に力を入れていることが伺える。

しかし近年は、街をリニューアルする場合でも新しい水道管に入れ替える必要がなくなり、水道管の需要低下やそれに伴う単価の下落が著しい。また、新たにポリエチレンの管が登場するなど、更にダクタイル異形管の需要が減ってきている。「インフラ製品であることと、ダクタイル異形管の唯一無二の頑丈さを踏まえ、我々の管の需要が尽きることはない」と犬塚宣明社長は言う。

今後は製造効率の向上とさらなる品質向上を図るため、工場の自動化を増やすほか、現在のメイン製品である上下水道管やマンホール以外のインフラ製品の製造を視野に計画を進めている。同社の社是にある「モノを作るなら個人に対してではなく、世のため社会のために鋳造で貢献する」をモットーに、今後もインフラ製品を製造していく。

株式会社ハズ

住所

〒444-0396
愛知県西尾市寺津町五十間南1 番地2

TEL

0563-59-6660

FAX

0563-59-5118

URL

https://www.has-jp.com/

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