特集:鋳造・ダイカスト

株式会社秋葉ダイカスト工業所

株式会社秋葉ダイカスト工業所

株式会社秋葉ダイカスト工業所は、金型の設計から鋳造、組み立て加工、表面処理、製品組み立てまでを一貫して行うダイカスト工場だ。群馬県高崎市に主力工場を置き、タイ、ベトナムにも製造工場がある。製品は自動車部品のほか、配電盤・産業機器などの業界に提供されている。特に自動車のCVTバルブボディのような難易度の高い部品製造には特徴があり、配電盤に用いるロックハンドルの製造には大きなシェアを持っている。

秋葉ダイカスト工業所の前身は、1935年に当社創業者の秋葉猛氏の父が東京都大森区に金型製作所として秋葉製作所を設立したところにあり、戦後、金型の製造拠点を現在の群馬県高崎市に移転した後、金型職人であった秋葉猛がダイカストを研究し、独立創業した。同社の特徴でもある「金型の設計も行うダイカスト屋」のルーツはそこにある。

従来から取り組んでいることは、金型の構造設計を駆使した部品の一体化等、低コストで複雑な部品を作る技術である。また、近年は高い熱伝導性を持つアルミの使用用途として熱マネジメント部材の開発供給に力を入れており、薄肉フィンを持つヒートシンク部材の生産を行っている。更に今後需要の拡大を睨み、パワーモジュール部材の開発に2004年から着手し、シリコンカーバイトとアルミの複合材(AL-SiC)をダイカストで成形する技術開発を皮切りに双ロール連続鋳造技術開発等を行った。AL-SiCの部材供給は無加圧浸透法によるIGBTベース板の製造・販売に関する米国企業と、アジア域内での独占販売契約を締結した。「狙いはパワーデバイスで使われるIGBTベースプレートの拡大需要対応です」と秋葉氏は言う。銅やアルミは、熱伝導率は高いが膨張するという欠点を抱えている。そこにアルミニウムにシリコンカーバイトを加え膨張せず高い熱伝導率を達成している。需要の拡大するパワー半導体を用いたパワーモジュールの熱対策部材Al-SiCベースプレートの製造方法として大量生産性のあるダイカストや無加圧浸透法を適用し、サプライチェーンの維持拡大への貢献ができる。

当社の拠点は日本国内の関連会社2社の他、海外ではタイ・ベトナムの3つの関連会社がある。表面処理メーカーのエムケーサイエンス(長野県辰野町)、ダイカスト金型メーカーの北川精密工業(神奈川県横浜市)、AKIBA COATING&TECHNOLOGY

Vietnam(ホーチミン)。いずれも本業のダイカストではない面で、グループ企業として連携している。総従業員数は771名。グループ連携とグローバル化によって、中核となるダイカストの他、部材メーカーとしての付加価値を高めている。

今後はコロナショックによる自動車部品の落ち込みや、原材料、電気代・ガス代の高騰などの苦難にも、設備投資と技術で立ち向かっていかなければならない。LPGと灯油を利用していたものを都市ガスへ切り替えることにより、CO₂排出量を20%削減し、燃料代も抑えていく。

AL-SiCなどの素材への取組、金型、鍍金業への進出、グローバル化。こうした未来への取り組みが、同社の成長の糧である。

株式会社秋葉ダイカスト工業所

住所

〒370-0072
群馬県高崎市大八木町580

TEL

027-361-4499

FAX

027-361-0272 (総務)、027-361-9904 (営業)

URL

http://www.akidc.co.jp/

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