第110 多摩川ハイテック株式会社

訪問営業から、WEB営業への変化

多摩川ハイテック株式会社は、毎年展示会に出展し販路開拓を行っていた。しかし近年は、新型コロナウイルスの影響で展示会が中止に。新規開拓の手段を失い、青森県主催の「ものづくり企業向け営業力効果実践研修」に参加した。研修では効率的な営業活動方法を学び、展示会がなくなったことで困難となっていた目標達成のために、新たな営業方法を取り入れる目的で、2021年9月にEMIDASプロ会員に入会した。

WEBを活用して自社PRをするために、まずは自社の強みの整理と他社との違いの分析からスタート。自社の強みは認識していたつもりでも、今まで「他社との違い」を抽出できていなかったことに気づいた。他社との比較から見えた新たな「自社の強み」をキーワードとしてWEB上に情報掲載をしていった。

しかし訪問営業が主流だった同社にとって、WEB営業の目的を明確化し、社内で意識を合わせていく苦労は大きかった。既存顧客との継続的な取引がもっとも効率的である一方で、新規開拓をしなければ成長分野に参入することができない。そのため、WEB営業のプロセスを明確化することで、社内共通の目的意識を醸成していった。

受注だけでない、WEB活用による訪問営業への影響

情報掲載にあたり、まずは自社の強みでもあり、現在需要が高まっている半導体製造装置にフォーカスした。「検索されることを意識し、自分が検索する側に立って自社ページを作成するよう心掛けた」そうだ。約半年後、電話による問い合わせがあり、二か月後には新規受注を獲得もした。その後も、新規開発のためサプライヤーを探していた企業からの受注にも繋がった。今やWEB営業が当たり前の時代になっている中で、無数にある情報に埋もれないための工夫が功を奏し、その後も毎月のリピート受注に繋がっている。

新規受注だけではない。これまでは情報収集から訪問営業まで営業1人で行うこともあったが、 EMIDASに入会したことで営業状況の社内共有が促進され、訪問までの作業を複数の担当者で分担して営業コストを削減することに成功した。

現在は、事業計画の中で、事業分野の開拓を目標に掲げている。最近受注した新規開発案件では、横の繋がりの協力も得て「板金加工＋機械加工」という計画の一歩を踏み出だせたことがが大きな自信になった。既存顧客や地域の繋がりも大切にしながら、新規事業に参入できるチャンスがあることもWEBマーケティングのメリットだ。「WEBマーケティングはきっかけであり、そこからは人と人です」と、今まで通りの関係作りを大切にしながら、自社の持つ力を最大限に活かしていく。

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